内閣府が発表した「高齢社会白書」(令和3年版)によると、65歳以上の世帯は全世帯の49.4%。超高齢化社会の日本では今後も増える見込みです。
これに伴い、単身世帯の高齢者の賃貸住宅ニーズが高まっています。持ち家のほうが良い気がしますが、高齢者の立場になれば賃貸住宅のほうが最適で心地よい暮らしができるようです。
高齢者はなぜ賃貸住宅に住み替えるの?
年を重ねるごとに高齢者は住み替えを希望します。その理由は下記のとおりです。
1、家族構成の変化(単身世帯)
→2-3DKから1DK
2、家族、親戚の近くへ(呼び寄せ)
→家族の近くなら安心
3、収入の変化
→家賃を減額したい
4、体調の変化
→足腰が弱り、階段や部屋数がある家はきつい・不安
5、一人暮らしが不安
→より安全なところへ越したい
6、仕事が無くなった(定年)
→通勤がなくなった、環境を変えたい
7、車を処分
→運転免許を返納、車がなくても便利な所へ住み換えたい
8、持ち家から賃貸
→戸建ては寒いから気密性が高いマンションへ。いまさら所有はしたくない
配偶者に先立たれるなどの家族構成の変化や子からの呼び寄せ、健康面の不安などによって住み替えを望むようです。持ち家の場合、長きにわたり住み続けていると老朽化し、夏は暑く冬は寒いと住みにくくなってしまうことの住み替えを希望する理由のようです。
4、6、8を見ると小回りの利く住まいが高齢者にとって快適であることがわかります。広すぎず狭すぎず、体に負担をかけないで周囲に家族がいる住まいは心身ともに安心できる住まいです。
周囲の家族の有無は人によりますが、それ以外を見ると賃貸住宅は高齢者にとって“ちょうどいい住まい”になると言えます。これは不動産賃貸業界にはチャンスと言えるでしょう。
しかし、現状は高齢者は賃貸住宅に入居づらい状況です。これは一体なぜなのでしょうか。
次回、その理由に迫ります。