超高齢化社会に突入した日本では、高齢者の増加とともに一人暮らしの高齢者も増えています。5人に1人が75歳になると言われている「2025年問題」はもう目前。高齢者が安心安全に暮らせる住まいの需要は高いものの、供給が伴っていない状況です。
これを受け、高齢者が安心して暮らせる取り組みとして、企業が新たに乗り出しているのが見守りサービスです。さまざまな企業が自社の強みや特徴を活かした見守りサービスを続々とリリースしています。
その中でも、高齢者に馴染みがあるサービスと見守りを組み合わせたのが宅配弁当。(株)シニアライフクリエイトが展開する高齢者専門宅配弁当サービス『宅配クック ワン・ツゥ・スリー』は全国で展開しています。どのような活動なのか見てみましょう。
行政とタッグ!宅配弁当で行う見守りサービスとは
『宅配クック ワン・ツゥ・スリー』の加盟店「宅配クック ワン・ツゥ・スリー北見・美幌店(運営法人:(株)エーアンドエー)」は、2023年1月16日(月)に北海道北見市と「北見市における高齢者等の見守り支援に関する協定」を締結しました。1月18日(水)には、長野県諏訪市と「諏訪市見守りネットワーク事業に係る協定」を締結。上記の協定によって各店舗の配達スタッフは、宅配中にお届け先の高齢者の異変を感じたら、市の関係各所への連絡など見守り活動を行います。高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるように、地域全体で高齢者を見守る体制を確保しようという取り組みです。
同社では創業時から手渡しによる見守り・安否確認を行なっています。昼食・夕食を届ける場合でも一度で済まさず、あえて1日2回訪問して届けるようにします。こまめな訪問によって入居者の異変をにすぐ気づけるのです。
異変には下記のようなことが挙げられます。
【外観からわかる異変】
・郵便物がポストに溜まっている
・雨戸がずっと閉まったまま
【対面での異変】
・顔色が悪く、具合が悪そうに見える
・話がかみ合わなくなった
実際に、このような異変に配達スタッフが気づいたことで救護した事例があります。異変を感じた配達スタッフがケアマネジャーやご家族に連絡し、ご家族が駆けつけると家の中で倒れていたとのこと。いかに定期的な訪問が大切なのかがわかる事例です。
全国72ヶ所の地方自治体と提携して見守り活動を実施
同社では見守りサービスを強化させるために、厚生労働省が推進する「認知症サポーター養成講座」を実施しています。社員だけでなく、店舗を運営するフランチャイズオーナーも受講しています。受講者は、その証である「オレンジリング」を腕につけています。地域高齢者やご家族の手助けとなる取り組みとして、認知症への理解を深めるために行なっているといいます。
同社の見守り活動の特徴は、ケアマネージャーに連絡するなど地域連携型であること。行政との取り組みも積極的に進め、全国の地方自治体と高齢者の見守りに関する協定を締結。長野県諏訪市は締結72箇所目です。今後も同社の動きから目が離せません。
超高齢化社会の見守りは地域社会との連携が必須!
今回ご紹介した地域と連携したサポート体制を取り入れているのが、イチイが現在進めている分散型サ高住です。
分散型サ高住から半径500m以内にある地域センターは見守りサービスを行うスタッフがおり、入居者同士が交流できる場でもあります。また、地域住民との交流を持てる拠点でもあるので、自然と知り合いが地元に増える可能性も。自分が住む地域との関わりは高齢者の生きがいUPにつながります。これは内閣府が発表した「高齢社会白書」(令和4年版)の結果にも表れています。
地域全体で高齢者をサポートする体制は今後必須となっていくでしょう。
→内閣府が発表!「シニアの生きがいと地域コミュニティの関係性」を読む
▼高齢者と見守りサービスに関わる記事はこちら▼
「分散型サ高住」の役割は2つある イチイでは「分散型サ高住」を事業として取り組んでいます。 (→前回の記事はこちらから) 「分散型サ高住」は地域センターから近距離にある空室を活用します。つまり、地域センターが中心となるため、「分散型サ高住」において地域センターが要と言えます。そう言...